20代の遺書の書き方とは?遺言書との違いやおすすめの方法・内容を詳しく解説
更新日2025.02.20

「遺書を書こう」と便箋を用意しても、頭の中が真っ白になってしまって何から書けばいいのかわからなくなるのではないでしょうか。

20代のうちは死を意識する人は多くないでしょうが、来たる万が一のときに備え、遺書を用意しておくのがおすすめです。遺書を残しておけば自分のためだけでなく、家族のために役立つことでしょう。

そこで今回は、20代の遺書の書き方について詳しく解説します。遺言書やエンディングノートの違いや、おすすめの方法まで詳しく紹介するので、遺書の内容で迷ったときはぜひ参考にしてください。

遺書・遺言書・エンディングノートの違い

遺書・遺言書・エンディングノートの違い

よく似ているので混同されがちですが、遺言書とエンディングノートは遺書とは異なる役目があります。ここからは、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

遺書とは

遺書は残される家族や親しい人に向けて、自分の気持ちなどを伝える手紙のことです。

法的効力がないため、書き方にも決まりはありません。私信として、自由に感謝の気持ちなどを残せます。

生前の最後のメッセージとして親や大切な人に向けて残すことが多く、いざというタイミングが来たときに、気持ちを伝える手段として選ばれています。遺書は何度でも書き直せるので、ライフスタイルの変化や出来事などに合わせて、自分の気持ちの変化に応じた内容に書き直すのがおすすめです。

遺言書

遺言書とは、自分の財産を誰にどう残すかを正式に記した書類のことで、法的効力を持ちます相続人ではない人に財産を残したい場合や、相続人同士での争いを防ぎたいときに有効で、相続人の負担を軽減できるのがメリットです。

遺言書は大きく次の3つに分かれ、様式や保管方法などのルールが定められています。

  • 自筆証書遺言
    ⇒遺言者が手書きで書いた遺言書
  • 公正証書遺言
    ⇒公証人が内容をまとめ公正証書として作成する遺言書
  • 秘密証書遺言
    ⇒遺言書の存在だけを公証人や証人に証明してもらった遺言書


ただし、法的効力を持たせるためには法律上の形式に従う必要があり、要件を満たしていなければ無効となります。そのため、遺言書を残すときはあらかじめ法律上の形式を理解してから、執筆に取りかかりましょう。

エンディングノートとは

エンディングノートは、自分にもしものことがあったときに備えて、残された家族のために必要な情報をまとめたものです。

遺書と同じく、エンディングノートにも法的効力はありません。死後に必要となる情報ややってもらいたいこと、気になることなどを自由に記載できます。

形式に決まりがないため、自由に家族への想いや伝えたいこと、自分の死後に頼みたい処理などを記入できるのがメリットです。終活のひとつとして取り組む人も多く、身辺整理や生前整理で取り組む人も増えています。

自分の気持ちを伝えるという意味では遺書と似ており、実際に以下のような使い方があります。

  • 死後に必要な情報をエンディングノートにまとめ、その一部に遺書を書き記す
  • エンディングノートと遺書を両方用意し、思いだけを遺書として書き残す


死後に伝えることが多い場合は、遺書と同時にエンディングノートの利用を検討してみてもよいでしょう。

20代でも遺書や遺言書を残しておくべき理由

20代でも遺書や遺言書を残しておくべき理由

20代で遺書や遺言書を残すというと、若いのになぜ?と疑問に思うかもしれません。

しかし、人生はいつ何がおこるかわからないため、いくつであっても自分の気持ちを残しておくことは無駄ではないからです。

むしろ、辛いことがあったりや困難にぶつかったりしたときは、遺書を残すことで自分の気持ちや残される家族と向き合う機会にもなるでしょう。たとえ若くても、家族がいる人も少なくありません。年齢に関係なく、遺書を書き記しておき、自分の気持ちを形にしておくことは大切です。

20代でも伝えたい想いがあるのなら、大切な人に向けて遺書を書いておくとよいでしょう。

ただし、法的効力を持たせたい場合は、遺書では不十分です。残された人に自分の意思をしっかり伝えたい場合は「遺言書」を残すことを検討してください。

20代が遺書を書くときにおすすめの方法

20代が遺書を書くときにおすすめの方法

20代が遺書を書くときにおすすめの方法は、以下の3つです。

  • 手紙
  • 動画
  • アプリ


保管方法や伝えたい内容によって、適したツールを選ぶとよいでしょう。

手紙

手紙のメリットは、自分の気持ちや伝えたいことをわかりやすくまとめられることです。遺書には決まった様式がないため、ノートや便箋など、好きな物に自由な形で残せます。

手軽に残せて保管方法なども考える必要がないため、最もオーソドックスな方法と言えるでしょう。ずっと形に残るので、残された家族にとっても常に手元に持っておけたりいつでも見返せたりする点も、手紙ならではのよいところです。

動画

文章を書くのが苦手な人は、動画で残すことを検討してみてください手元にあるスマートフォンなどで誰でも気軽に動画を撮影できるので、手紙の次に選ばれやすい方法です。

映像で残るので、残された人にとっては貴重な思い出となります。何年経っても鮮やかな思い出として残り続けるのは、映像ならではのメリットです。自分が動いている姿や声を残したいときにも、おすすめです。

アプリ

近年では、遺書を簡単に残せるアプリもあります。無料で使えるものも多く、書き直しが簡単なものや写真や動画なども残せるなど、いろいろなアプリが開発されています。いくつか比較してみて、自分の理想に合ったものを探してみるとよいでしょう。

ただし、アプリの場合はサービスが終了してしまった場合、遺書が見られなくなる可能性もあるため注意が必要です。アプリをわざわざ使わなくても、スマートフォンに備わっているメモや動画の機能を使って遺書を残す方法もあるので、検討してみるとよいでしょう。

遺書の書き方と例文

遺書の書き方と例文

実際に、どのような内容で遺書を書き記せばいいか、具体的な書き方と例文を見ていきましょう。

記載すべき内容

遺書に書き残す内容は自由で、とくに決まりはありません。残したい相手によって、書く内容を分けると良いでしょう。

エンディングノートを活用すれば、遺書は自分の気持ちを伝える手段として使い分けができます。残される家族に向けて書き記す内容の例は、次の通りです。

  • 遺言書やエンディングノートの有無
  • 財産や資産に関する情報(口座情報、クレジットカード、借金など)
  • 利用しているサービス・サブスクに関する情報
  • 葬儀に関する希望
  • 自分の死を知らせて欲しい相手
  • 自分の死後にお願いしたいこと など


上記はあくまで一例なので、遺書を残す相手によって自由に書いて大丈夫です。

例文

遺書の例文をいくつか紹介します。

「私に万一のことがおきたら、次の人に連絡してください。スマートフォンのロック番号は⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎です。死後に必要な手続きは、スマートフォンのメモにまとめてあります。」

 

「家族へ これまで幸せな時間をありがとう。天国からずっと見守っています。部屋にある物は、⚪︎⚪︎に後の処分を任せます。」

 

「妻へ 子どもたちのことをお願いします。ずっと一緒にいると誓ったのに、こんなにお別れが早くてごめん。離れていても、ずっとずっと愛しています」


遺書は自由に思いを綴るものです。自分の気持ちをそのまま文字にしてみてくださいね。

20代の人が遺書を書く手順を3ステップで解説

20代の人が遺書を書く手順を3ステップで解説

20代で家族に遺書を残すなら、次の3つのステップで内容を考えていきましょう。

  1. 誰に書くか決める
  2. 遺書に書く内容をまとめる
  3. 保管場所を決める

順番に詳しく説明します。

誰に書くか決める

遺書は残したい相手に自由に書けるので、最初に誰に書くかを考えましょう。配偶者や両親、子ども、友人など、宛先によって書く内容は異なります

これまでに関わってきた人がどれだけいるのか思い返してみると、遺書を残しておきたい人は意外といるはずです。

相手が具体的に決まることで、遺書が書きやすくなります。残したい相手が特にいない場合や思いつかない場合も、伝えたいことがあるのであれば、遺書を書き記しておくとよいでしょう。

遺書に書く内容をまとめる

相手に伝えたい内容を事前にまとめてから書き始めると、筆が進みやすくなります。最初に伝えるべきことを書き記し、その後に伝えたい想いをまとめるのがおすすめです。

事前に伝えるべき内容をまとめておくことで伝え忘れが防げ、相手に伝わりやすい順番で遺書をまとめられるでしょう。遺書は短くても長くても問題ないので、たとえ長くなっても自分の気持ちは後悔のないように書き記すことが大切です。

保管場所を決める

遺書を書いた後に、どこに保管しておくかも決めておきましょう。伝えたい相手に遺書の存在が伝わらなければ、書いた意味がなくなるからです。

心配なら保管場所を記載したメモを残したり、信頼できる人に「何かあったときはここをみて欲しい」などと伝えたりするのがおすすめです。

動画やアプリを使用した場合は、死後にスマートフォンを見られるようにロックを解除できるようにしておくなど、確実に遺書を見てもらえる状態を整えておきましょう。

20代の遺書の書き方まとめ

20代の遺書の書き方まとめ

20代の人でも、何かあったときのために遺書や死後にお願いしたいことをまとめておくと、安心です。とくに近年はデジタル化が進んでおり、不測の事態があったときに遺族が情報にたどり着けず、困るケースが増えています。

遺書やエンディングノートは決まった形式やルールがなく、自分の気持ちの思うままに書けるので、気軽に残せます。大切な人に向けて、今の想いを文字や動画で残しておくとよいでしょう。気持ちと同時に、死後に必要な情報も同時にまとめておけば、死後の処理もスムーズです。

一方で、遺書には法的効力がないことに注意が必要です。財産がある場合に何も残さずに亡くなると相続人の間でトラブルに発展する可能性があります。法的拘束力のある遺言書を残しておけば、相続人の間でトラブルになるリスクを減らせます。遺書を作成するタイミングで、遺言書も一緒に残しておきましょう。

タイヨーが提供しているサービス「遺品整理みらいへ」では、故人やご遺族に寄り添った遺品整理をしています。ご遺族の要望のもと、遺品を大切に取り扱っています。

電話メールLINEで無料見積もりを受け付けていますので、遺品整理にお悩みの方はお気軽にご連絡ください。

メールで無料見積り
LINEで無料見積り