身辺整理の進め方がわからないと、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。やるべきことが多いのでどこから手を付ければいいのか、戸惑ってしまうものです。
身辺整理とは不用品をはじめ、身の回りの物品を整理および処分することです。自分が亡くなった後の遺族の負担を軽減でき、さらに整理された環境で気持ちをリセットできるので、安心してセカンドライフを送れるようになります。
本記事では身辺整理のやり方について、整理する要素と手順に沿って説明します。どこから手を付けるべきかわからない方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
身辺整理とは
身辺整理とは、自分の周りにある不要な物や事柄を整理することです。大まかに分けると、以下の3つです。
- 財産
- 所有物
- 人間関係
似ている言葉に「生前整理」がありますが、身辺整理とは目的が異なります。
しかし、不要な物を分別および処分することから、やるべきこと自体は似ていると言えます。身辺整理で物や人間関係の整理をおこなえば、残りの人生を豊かに過ごすための前向きな作業となるでしょう。
身辺整理で整理する要素6つ
身辺整理をする際に整理するのは、大きく分けて以下の6つです。
- 物品
- 重要書類
- 資産・財産
- パスワードなどの情報
- 写真・アルバム
- 人間関係
整理方法についても併せて解説するので、ぜひご覧ください。
物品
これまでの人生で手に入れたデータや物などを整理整頓して、断捨離をします。家具・家電や服、趣味のグッズなどを分別して、必要な物だけを残します。
今後の人生に必要な物だけを残すという作業を通して、自分にとって大切な価値観を見つけられるでしょう。
重要書類
書類も自然と溜まっていくものなので、身辺整理を機に仕分けをしましょう。仕分ける際は以下のように、カテゴリごとに分けるのがおすすめです。
カテゴリ | 書類 |
---|---|
重要書類 | ・住民票 ・戸籍謄本 ・年金手帳 ・保険証 ・預貯金通帳 ・印鑑証明 など |
税金関連 | ・納税証明書 ・税金の領収書 ・確定申告書 など |
契約関連 | ・土地・建物の契約書 ・ローンの契約書 ・クレジットカードの契約書 など |
それぞれ別々のフォルダに分け、ラベルを付けて整理しておけば、必要な書類をすぐに見つけられるようになります。
定期的に見直し、不要な書類は適切に処分しましょう。なお、処分する書類の中には個人情報が含まれている場合があります。個人情報が漏出しないように、シュレッダーなどを使って処分しましょう。
資産・財産
自分の死後に相続関係でトラブルを起こさないためにも、資産・財産は表などにして一覧にまとめておくのがおすすめです。記録するときは、相続する人・金額・連絡先などをまとめておきます。
とくに不動産関連は明確にしておかないと、相続時にトラブルにつながりかねません。資産・財産は、以下のように分けられます。
カテゴリ | 資産・財産 |
---|---|
不動産 | ・土地 ・家 ・アパート など |
金融資産 | ・預貯金 ・株式 ・投資信託 ・年金 など |
個人資産 | ・車 ・家具 ・宝石 ・アート作品 など |
上記をそれぞれ別のリストに分け、財産目録を作成するといいでしょう。財産目録は定期的に見直し、変動があったときに都度更新すれば、いざ自分が亡くなったとしても遺族の方が滞りなく相続を進められます。
パスワードなどの情報
ネット上の情報も忘れずに整理します。Webサイトなどにログインするときに使うパスワード・IDなどは、重要書類と一緒に保管しましょう。
パスワードをまとめる手順は、以下のとおりです。
- リスト作成
⇒各アカウントのユーザー名とパスワードを記録したリストを作成 - 安全な場所に保管
⇒リストはパスワード保護されたデジタルフォーマットか、物理的に安全な場所に保管 - 定期的な更新
⇒パスワードが変更された場合や新しいアカウントを作成した場合は、リストを更新
適切に管理しておけば、必要なときにすぐにパスワード情報を参照できます。
写真・アルバム
不要な写真データを削除すれば容量に余裕が生まれ、今後新たな思い出を保存できます。また、見返したいと思った写真をすぐに見られることも、整理するメリットのひとつです。
身辺整理で写真やアルバムを整理する際は、まず全体をざっと確認し、大まかなカテゴリに分類します。その後、カテゴリごとに時系列やテーマに沿って整理し、ラベルやタグを付けて識別しやすくします。
アルバムやフォルダを使って分類し、デジタル化する場合は、バックアップを忘れずにおこないましょう。
人間関係
身辺整理において友人や知人、職場仲間などの人間関係の整理も必要です。残りの人生で一緒に過ごしたい人を明確にしたうえで、これからどのような関係を続けていくか、または絶つかを判断しましょう。
人間関係を整理する際は、まず自分にとっての重要な関係や支えになっている人を見極めます。次に、それぞれの関係性に対して明確な役割や期待を整理し、コミュニケーションを大切にします。
負担に感じている人とは適度に距離を取りつつ、健康的な人間関係を築くことが重要です。
身辺整理をおこなう主なタイミング3つ
身辺整理は時間や気力が必要な作業です。煩雑ではあるものの、先延ばしにすると判断力が鈍ってしまい、手間取ってしまうこともあるでしょう。
そこで以下3つのタイミングをきっかけに、身辺整理に取りかかってみてはいかがでしょうか?
- 終活
- 定年退職・転職
- 新生活
上記のタイミングが適切な理由を、それぞれ解説します。
終活
身辺整理をおこなう主なタイミングが、終活の時期です。終活を意識する時期は人によって異なるものの、多くの人は以下のタイミングで始めることになります。
- 自身の病気が発覚した
- 身内の不幸が起きた
- 親の遺品整理をおこなった
- 子どもが結婚した
身辺整理をせずに自分が亡くなってしまうと、残された遺族は大変な思いをしながら遺品の整理をしなければなりません。遺族が困惑しないように、身辺整理は自分でおこない、誰が見てもわかる状態にしておきましょう。
身辺整理はいつでも始められるため、不用品を処分するなど、小さなことから取り組むのがおすすめです。
定年退職・転職
定年退職や転職も身辺整理をおこなうのに適したタイミングです。とくに定年退職は仕事に区切りがつき、十分な時間を確保できるいい機会です。
定年退職後にリセットして今後を充実して生きていくためには、身の回りを整理整頓する必要があります。必要な物だけ手元にある状態にできれば気分が軽くなり、ポジティブな気持ちで生きていけるでしょう。
定年退職や転職は仕事やキャリアを大きく変えるため、その後の生活や関係性を整理しやすくなります。新たな目標や興味を見つけられれば心身ともにリフレッシュし、新生活に向けて前向きなスタートが切れるでしょう。
新生活
引越しや結婚など、環境が大きく変わるときは身辺整理を始めやすいタイミングです。身辺整理を通して自己分析をおこなえるので、これまでの振り返りをする機会にもなります。
これまでとは気持ちを切り替えて、新生活に素早く順応できるようになるでしょう。
身辺整理のやり方を5つのステップで解説
身辺整理に取り組もうと思っていても、どこから手を付けたらいいのかわからない人は一定数います。身辺整理の手順は、以下5つのステップで進めます。
- 目標を設定する
- 全体を把握する
- 整理対象となるものを分別する
- エンディングノートにまとめる
- 不用品を処分する
ひとつずつ見ていきましょう。
目標を設定する
まずは身辺整理の方向性を明確にし、何をどこまで整理するのかゴールを決めます。目標を設定すればやるべきことや優先順位が明確になり、自己成長や満足感を得るための道筋を描けます。
目標が明確になっていることで、身辺整理に対するモチベーションを保ちながら取り組めるようになるでしょう。
全体を把握する
作業に取りかかる前に、整理する物の量など全体像の把握も必要な工程です。全体を把握することで現状を客観的に理解でき、問題点や改善点を見つけられるようになります。
また、優先順位を付けやすくなるので、効率よく進められます。最終的には、より整然とした生活や環境を築くための具体的な計画を立てることにつながります。
整理対象となるものを分別する
先述のとおり、身辺整理で分別するものは大きく3つに分けられます。
- 財産・資産
- 人間関係
- 物品
最初に立てた目標に沿って、分別作業を進めていきましょう。
エンディングノートにまとめる
エンディングノートは身辺整理の中で、非常に有用なツールです。エンディングノートとは、自分が亡くなった後に遺族へ相続手続きや意思を伝えるためのノートです。
自分自身の基本情報や資産情報、保険情報をすべてまとめておくことで、必要なときにすぐに参照できます。なお、定期的に見直し、パスワードや情報を更新することも忘れないようにしてください。
不用品を処分する
分別の過程で出てきた不用品を処分しましょう。無理に物を捨てる必要はありませんが、いらないと判断できる物を思い切って処分すれば、身軽に行動できるようになります。
ごみとして捨てたり売却したりなど、物品によって適切な方法で処分します。自分で処分するのが困難な場合は、業者に依頼するのも選択肢のひとつです。
しかし、身辺整理の過程で価値の判断ができずに捨てられない物が出てくることもあるでしょう。その場合は、身辺整理サービスを提供している業者に依頼するのも一つの手です。
買取や回収を同時におこなってくれるため、スムーズに処分できます。
身辺整理業者によって作業費用が変わるため、複数社から相見積もりを取りましょう。比較すると相場がわかるため、どこに依頼するか判断しやすくなります。
身辺整理をおこなうにあたって押さえるべき注意点4つ
身辺整理は心機一転するうえで非常に有効な作業ですが、闇雲に取り組めばいいものではありません。取り組む際は、以下の4点を押さえておきましょう。
- 大きな不用品は業者へ依頼する
- 物を残しすぎない
- 人間関係の整理は慎重におこなう
- デジタルデータの整理を怠らない
ひとつずつ解説します。
大きな不用品は業者へ依頼する
身辺整理のあとに出た大きな不用品は業者に依頼して処分するか、引き取ってもらいましょう。業者であれば大きな不用品であっても取扱いのノウハウを持っているため、効率的かつ安全に処分してくれます。
実際に、大きな不用品を自分で運び出すと慣れない力仕事により、ケガをするリスクがあります。また、自分で運び出す必要がないため、時間と労力の節約も期待できるでしょう。
自分では手に負えないと思った不用品は、すぐに業者に依頼することが大切です。
物を残しすぎない
身辺整理後に所有する物は最小限にすることを、意識してみてください。
思い出の物を処分するとなると心苦しくなり、残したくなるものです。しかし、自分の死後におこなわれる遺品整理は精神的にも体力的にも、親族に負担をかけます。
たとえ思い出の物であっても、処分するかどうかの明確な線引きを決めることが大切です。新たな人生を進めるために、思い切って処分することも大切なプロセスです。
所有する物が多く、作業が大変な場合は家族や業者の力を借りるのもいいでしょう。将来、自分の親族が遺品整理で苦労することがないように、手元に残すのは必要な物だけにしましょう。
人間関係の整理は慎重におこなう
友人や知人、親族との関係も含めた人間関係の整理は慎重におこないます。感情的な判断ではなく、客観的な視点で関係を見極めることが重要です。
健康的な関係に重点を置き、過剰なストレスを感じる関係性であれば、適度に距離を置くことも大切です。
また、今後も関係を維持したいと考えているものの、仲がこじれている場合は、修復するために積極的に対話を試みましょう。
人間関係は今後の幸福度に大きく左右されるので、慎重に吟味しなければ後々になって後悔するかもしれません。
デジタルデータの整理を怠らない
SNSやブログ、パソコン内のデジタルデータは整理するのを忘れがちです。しかし、本人しかわからないものが多い特性上、遺品整理の際に親族が対処に困りやすいものなので、必ず整理しましょう。
まずは、不要なデジタルデータがある場合は削除します。ハードディスクの容量を空けられれば、今後の新たな思い出を保存できるようになります。
残すデータを決めたら検索が容易になるように、適切なフォルダやタグで整理しましょう。データの損失を防ぐために、定期的なバックアップをおこなったり、複数のデバイスでアクセスできるように設定したりするのもおすすめです。
身辺整理のやり方について まとめ
身辺整理では自分のこれまでの人生を振り返りながら、物や思い出を整理していくので、気持ちを切り替えて新しいことに取り組めるようになります。時間がかかる作業なので、時間や体力があるうちに進めておくことが大切です。
また、自分が亡くなったときに親族の方がおこなう遺品整理の負担を軽減できることも、大きなメリットです。自分の死後に遺族の方が遺品整理で苦労しないように、今のうちに少しずつでも取り組んでおきましょう。
身辺整理は物の断捨離をおこなう作業であるため、数時間程度で終わることではありません。そのため、取りかかるのが難しいと感じる方は「遺品整理みらいへ」にご相談ください。身辺整理にあたっての悩みを解決しながら、心を込めたサポートをおこないます。
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