ゴミ屋敷に住んでいる人を見ていて「どうしてあんなところに住めるの?」と気になる方は多いのではないでしょうか。
ゴミ屋敷問題は短期間でも悪化しやすく時間が経つほど解決が難しくなってしまいます。一方で、当事者からすると大量のごみが目の前にある状況が当たり前で、片づける必要性を感じない人もいるくらいです。
そのため、家族や親戚などの家がゴミ屋敷になりつつあるなら、早急に対処することをおすすめします。
ゴミ屋敷を片付けるためには、住んでいる人の心理や特徴を理解し、その人にとって最適な方法で解決に向けて手助けをしてあげることが大切です。
本記事では、ゴミ屋敷に居住する人の心理や特徴について詳しく解説します。
ゴミ屋敷を片付けるのにかかる費用についても説明するので、今すぐ解決したいと考えている方は、ぜひお読みください。
目次
ゴミ屋敷にしてしまう心理状態7つ
ゴミ屋敷にしてしまう人には、共通して以下のような心理状態に陥る傾向にあります。
- 物を捨てることに抵抗がある
- 孤独や疎外感から物に囲まれる安心感を求めている
- 片付ける気力がない
- 苦手だから後回しにしてしまう
- 買い集めることがストレス解消になっている
- 人の手を煩わせたくない
- ゴミ屋敷に住むことに抵抗がない
どのような心理が影響しているのか、ひとつずつ見ていきましょう。
物を捨てることに抵抗がある
ゴミ屋敷にしてしまう人の多くは、物を捨てるのに抵抗を感じているために、そのまま放置しています。
どのような小さな物でも過剰に愛着を持ってしまったり、思い出のある物が捨てられなかったりする場合がほとんどです。たとえ愛着がなくても「自分の物はひとつたりとも捨てられない」という人もたくさんいます。
不要な物を適切に判断できないために、どんどん物が溜まっていき、ゴミ屋敷になってしまうことが考えられます。
孤独や疎外感から物に囲まれる安心感を求めている
家族が亡くなるなど、さまざまな事情から一人暮らしをしている人の中には、疎外感や孤独感から物集めをしてしまう人も多いです。誰とも関われないストレスを、自分が集めた物に囲まれることで解消してしまっているのが原因です。
物に囲まれることで安心感を得ているために、結果、必要以上に物が集まってゴミ屋敷になってしまっています。物を片付けてしまうと孤独感や不安感を強く抱いてしまうため、片付けられないという悪循環に陥ります。
片づける気力がない
ストレスなどで片付ける気力が湧かない人や、自分の身の回りのことに興味を持てない人もいます。うつ病など精神的な病にかかっている場合や、職場などで過大なストレスにさらされた人に見られ、片付けるほどの気力がないのが特徴です。
過度に自分に興味を持てない人はセルフ・ネグレクト状態の場合もあるため、注意が必要です。
また、うつ病などの病気が原因の場合はゴミ屋敷に居住することで、さらに悪化する可能性もあるので早急な対応が必要になるでしょう。
苦手だから後回しにしてしまう
片づけや掃除がもともと苦手なために、後回しにしてしまう人もいます。
多少苦手というレベルであればゴミ屋敷にまでなることはありません。しかし、過度に苦手意識を持っているとごみ1つすら捨てなくなります。
また、潔癖症で物に触れられず、結果としてごみが溜まってしまうケースもあります。
代わりに片付けをしてくれる人がいないと状態がさらに悪化していき、時間が経つほどゴミ屋敷になってしまうのです。
買い集めることがストレス解消になっている
買い物が好きで物を増やしてしまい、ゴミ屋敷になってしまうケースも多く見られます。
買い物依存症の人や買い物をすることで他者と関わりたいと考えている人に多く、女性や高齢者に多いケースです。
買い物をすること自体が目的なので、物が必要かどうかということに意識が向かないのが大きな原因です。買った後のことが考えられないため、同じ物を大量に購入したり、不要なものばかりを集めたりしてしまう場合もあります。
断捨離をしたとしても、買い物自体を止めないかぎりは物が増え続け、やがてゴミ屋敷へと化していきます。
ストレスや欲求を別の方法で解消できない限り、根本的な解決にはならないでしょう。
人の手を煩わせたくない
ゴミ屋敷になっていることに気付いていても、他人の手を借りられず、片付けが進まない人もいます。真面目な人や他人との関わりが苦手な人は助けを求められず、助けてもらえる機会に恵まれても拒んでしまうものです。
結果、ゴミ屋敷になってしまっても片付けられず、事態がどんどん悪化していきます。
「他人の手を借りたくない」という心理状態にある場合は本人の意思を尊重しつつ、できるだけ負担にならない方法でごみを片付ける必要があります。
本人とじっくり向き合い、片付けられる方法を模索していくことになるでしょう。
ゴミ屋敷に住むことに抵抗がない
親が片付けられない人などで幼少期からゴミ屋敷に住んでいた場合、抵抗がないためにそのまま住み続けているケースもあります。むしろ、清潔でごみがない状態だと落ち着かない、と訴える人もいるほどです。
ごみや不衛生な状態に抵抗がなくても、配偶者やパートナーを得ることがきっかけで、ゴミ屋敷から脱却できる場合もあります。
しかし、ごみに囲まれても片付けの必要性を感じていない傾向が見られるため、油断するとまた元の状態に戻ってしまう恐れがあります。
きれいな状態を保てるようになるまで、長期的なサポートが必要になるでしょう。
ゴミ屋敷に居住している人の特徴5つ
ゴミ屋敷に住んでいる人には、共通した特徴があります。
- 片付けや整理整頓が苦手
- 買い物依存症である
- 忙しくて片付ける時間がない
- 過度なストレスや精神疾患を抱えている
- 物やお金がなかった経験がある
なぜゴミ屋敷に住んでいても平気なのかがわかると、問題を解決しやすくなります。順番に見ていきましょう。
片付けや整理整頓が苦手
小さな頃から片付けや整理整頓が苦手な人は、ゴミ屋敷にしてしまいがちです。片付けや整理整頓にかぎらず、人は苦手なことがあるとつい後回しにしてしまうものです。
とくに、常に誰かに部屋などを片付けてもらっていた人ほど片付け方を知らないために、どうしてもゴミ屋敷になってしまいます。
正しい整理整頓の仕方を学んだり、ごみの片付け方にルールを決めたりすることで、解決できるようになるでしょう。
買い物依存症である
買い物依存症の人は、物を片付けるよりも増えるスピードが早いため、片付けられなくなってしまいます。購入してから開封せずに放置していることもあり、中にはゴミ屋敷というより「物屋敷」になっている場合もあるほどです。
買い物依存症の場合は、買い物を止められないかぎり部屋が片付くことはありません。
目的が必要な物を揃えることではなく「買い物をする」ことなので、依存症の治療を優先させる必要があります。
忙しくて片付ける時間がない
仕事やプライベートなどが忙しすぎる人も、ゴミ屋敷にしてしまいがちです。家にいる時間が短いうえに常に疲れている状態で過ごしているため、片付けができず、ゴミ屋敷と化してしまいます。
このタイプは余裕さえあれば片付けることができ、一度習慣を付ければ治ることもあります。しかし、また忙しくなって散らかってくると片付けられず、ゴミ屋敷になってしまう傾向もみられるので油断は禁物です。
費用などの問題はありますが、片付けサービスなどを利用したり片付けをする習慣を身につけたりすれば、部屋を片付けられるようになるでしょう。
過度なストレスや精神疾患を抱えている
ストレスやうつ病などの精神疾患を抱えている場合も、ゴミ屋敷にしてしまいやすいので注意が必要です。
強いストレスは、自分や周りへの興味を失う大きな要因です。周りが見えなくなってしまう、もしくは見えても興味を持てないため、ごみが片づけられなくなってしまいます。
また、うつ病やADHDなどが原因で片づけられなくなる人も少なくありません。
このような場合は周りのフォローが大切で、適切な手助けがあればほとんどのケースで解消できます。
また、ストレスの解消や治療を進めることも、解決の1歩になるでしょう。
物やお金がなかった経験がある
物やお金がないという経験が強く残っている人は、反動で物を集めてしまう傾向が見られます。具体的には、戦後の厳しい時代を生き抜いてきた高齢者や、苦労を重ねてきた人が挙げられます。
「物がなくなるかも」「またあの辛い時代に戻るかもしれない」という思いが恐怖になり、物を溜め込んでしまうのです。
まずは「たくさん置いておかなくても大丈夫だ」と意識を変えることに努め、そこから少しずつ物を処分していけば、徐々に改善していくでしょう。
ゴミ屋敷を早めに解決すべき理由3つ
身近な人がゴミ屋敷に住んでいることが判明した場合は、早急に解決に向けて行動すべきです。理由は以下の3つです。
- 健康状態の悪化につながる
- 悪臭や害虫が近所迷惑になる
- 火災などのトラブルに発展することがある
問題が大きくなる前に手を打ちましょう。
健康状態の悪化につながる
ごみによる不衛生な環境と発せられる悪臭が原因で、健康状態の悪化につながることが考えられます。体調を崩して病気になり、本人の生活に悪影響を及ぼします。
健康被害は本人だけでなく家族や近所の人に影響を及ぼすこともあるため、いち早く解決に努めるべきです。
悪臭や害虫が近所迷惑になる
ごみが原因で生じる悪臭や害虫が近所迷惑になるケースも多く、自治体へ苦情が寄せられてゴミ屋敷になっていることが判明するケースもあります。夏場はとくに悪臭・害虫とも悪化しやすいので、早急に解決することが求められます。
近所からの苦情は大きなトラブルへと発展することも多く、ゴミ屋敷解消のために補助金制度を定めている自治体もあるくらいです。
火災などのトラブルに発展することがある
ごみが原因で火災トラブルに発展することもあります。実際にタバコやストーブなどの、ちょっとした火種でもごみに付いてしまうと、一気に燃え広がってしまいます。
また、家の外まで溢れたごみは放火の的になりやすいため、悪意を持った人が火を付ける可能性も考えられるでしょう。
火災トラブルは最悪の場合、家を丸ごと焼失させてしまう事態になりうるので、早急に片づけなければなりません。
ゴミ屋敷を解決する方法5選
ゴミ屋敷になる原因はさまざまですが、以下5つの方法で解決へと進められます。
- 居住している人の心理を理解する
- 精神疾患を患っている場合は治療を行う
- 自治体に相談する
- 一緒に片付ける
- 専門業者に片付け・清掃を依頼する
ひとつずつ見ていきましょう。
居住している人の心理を理解する
ゴミ屋敷を片付けるためには本人の心理をよく理解し、ごみが溜まってしまった原因を探るところから始める必要があります。ごみを溜めてしまうのには必ず理由が隠れているため、ゆっくり話を聞いて、できるだけ理解してあげることが大切です。
そのうえで、本人にとって一番よい方法を模索してあげましょう。適切なフォローや手助けを行えば、少しずつごみの処分や掃除が進められるようになります。
精神疾患を患っている場合は治療を行う
認知症やうつ病などの精神疾患が理由で片付けられない場合は、まず治療を進めましょう。状態が落ち着けば、少しずつ片付けられるようになることもあります。
とくに認知症やうつ病などが原因の場合は、早期に適切な治療へとつなげることが重要です。
ただし、中には治療を嫌がる人や自分が病気であることを認めたくない人もいるので、まずはじっくり話を聞くことから始めるとよいでしょう。
自治体に相談する
ゴミ屋敷の住人に直接言いづらい場合は自治体に相談してみることで、状況を打開できる場合があります。自治体によっては、ゴミ屋敷を取り締まる条例が制定されており、介入してくれたり片付けを支援してくれたりします。
まずは自治体へ最適な解決方法を相談してみるとよいでしょう。どうしても改善の見込みがない場合は、行政代執行により強制的にゴミ屋敷の片付けを行ってくれる場合もあります。
個人で解決しようとすると、大きなトラブルに発展する事態が考えられるので、お住まいの自治体に相談してみてください。
一緒に片づける
ゴミ屋敷の住人が家族や親族なら、親身になって相談に乗ってあげて、一緒に片付けてあげるのも効果的な方法です。捨てる物や片付ける場所などを一緒に考え、少しずつゴミ屋敷を解消していきましょう。
「あなたと一緒なら片付けられるかも」と考えてもらえれば、早期改善が期待できます。
とはいえ、本人の意向を大切にしながら「一緒に片付ける」ことが重要なので、焦らず時間をかけて取り組んでみてください。
専門業者に片づけ・清掃を依頼する
本人が「片付けたい」という希望があるなら、専門業者に依頼して片付けてもらうのがおすすめです。
スタッフがすべて作業してくれるうえに短時間でゴミ屋敷がきれいになるので、心理的な負担が少ないのがメリットです。
とくに、長年ゴミ屋敷に住んでいた場合などは汚れがこびりついており、当事者だけで片付けられないケースは多々あります。
自分たちだけでは数ヵ月かかるようなゴミ屋敷でも、専門業者に依頼すれば1~2日程度で元のきれいな状態に片づけてくれます。
ゴミ屋敷の片づけを専門業者に依頼した場合にかかる費用の目安
ゴミ屋敷の片付けは自力で進めるのもひとつのやり方ですが、清掃業者や不用品回収業者などの専門業者に依頼するのがおすすめです。
とくに、特殊作業などが必要な場合や一度に捨てられないほど大量にごみがある場合は、専門業者に依頼したほうが素早く解決できます。
料金は部屋の広さや捨てるごみの量によって異なるため、事前に見積もりを取っておくと安心です。
ゴミ屋敷の片付け費用の目安は、以下のとおりです。
部屋の広さ | 料金の目安 |
---|---|
1K・1R | 30,000円〜 |
1DK | 50,000円〜 |
1LDK | 80,000円〜 |
2DK | 100,000円〜 |
2LDK | 140,000円〜 |
3DK | 160,000円〜 |
多くの業者では部屋の間取りに応じて料金設定がされており、清掃内容やスタッフの人数、片付けにかかる時間、ごみの量などで変動します。状況に応じて必要な作業が異なるため、複数社から見積もりを取り、比較したうえで依頼するとよいでしょう。
ゴミ屋敷になる人の心理状態について まとめ
ゴミ屋敷になる心理は、その人や居住者が置かれた状況によって異なります。
住人が置かれている心理状態を理解したうえで原因から解決しなければ、ゴミ屋敷を片づけてもまた元に戻ってしまいます。
治療やフォローなど、当事者にとって最適な方法で手助けを行い、片付けを進めていきましょう。
ごみの処分や清掃は、専門家の力を借りるのがおすすめです。タイヨーが提供している遺品整理サービス「遺品整理みらいへ」ではごみ屋敷清掃にも対応しており、これまでに広島市を中心に数多くの実績があります。
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