不法投棄された廃棄物はどのように撤去されるか?廿日市市大野で社会貢献活動をしてきました!

2024年5月13日、広島県廿日市市大野で不法投棄の廃棄物処理に参加してきました。

山間部に架けられていた橋の下に、テレビや冷蔵庫、洗濯機をはじめ、ビン、缶、ペットボトルに、車のバンパーや通常の可燃ゴミなど。

凄まじい量の廃棄物が投げ捨てられていたのです。

さながら人間の傲慢さが産んだ妖怪として『ゲゲゲの鬼太郎』にも出てきそうな……そんなゴミの山を処理するため、集ったのは総勢122名(うち企業からは66名)。

弊社をはじめ他の回収業者さんも29社が参加し、各社の車両や重機など計30台が集結しました。

【現場に集った作業車両たち】
4tアームロール
軽トラ
草刈り機
チェーンソー
25tレッカー
10tユニック
4tユニック
2tトラック
などなど……計30台

それがどうやって回収されていったのか?

当日の様子をさっそく報告させていただきます!

厳島神社を臨む廿日市市大野

広島県廿日市市大野という場所は、県以外の方にもお馴染みの場所と言えるかもしれません。

なぜならその眼前には厳島神社があり、市の中央からも、そう遠くはないところにあるのです。

昨今はインバウンドの来訪者も増えている、観光スポットのすぐ近くで不法投棄が?

そんな風に思われるかもしれませんが、ここ大野は、広島市だけでなく岩国市からも程よい距離にあり、しかも豊かな自然によって悪行が隠されがちなため、不届き者たちにとっては都合がよいのかもしれません。

橋から投げ捨てられるようにして、大量の廃棄物が積み上がっていました。

主催者の資源循環協会さんによると、コロナ禍の影響でここ数年間は放置されていたため、特に酷い状況になっていたようです。

前述のとおり、テレビや洗濯機をはじめとしたあらゆるゴミが投げ捨てられ、中には、ライターやバッテリーなどの危険物も。

ビンにせよ、金属にせよ、多くはリサイクルできるというのに、あーあ、なんでこんな……と、悲しんでばかりもいられません。

片付けるぞ!

ということで、まずは手で動かせるゴミを袋に詰めて、

お次はクレーンにつなげ

橋の上に持ち上げると、あとはひたすら運んで分別!運んで分別!

弊社以外のボランティアさんの顔は伏せております

見る見るうちに積まれていくゴミの山。

ここに不法投棄された方、見てますか? あなたのたった一つのゴミでも、積もりに積もってこんな状況になっているんですよ。

土中に埋まった洗濯機も取り出して

以下の画像をご覧のとおり、現場は川のすぐそばです。

本格的な雨季を迎えると水かさは増し、投げ捨てられた重たいゴミは泥の中に沈んでゆくのでしょう。

土中に埋もれた洗濯機も掘り出しました。

しかも、その数が一つや二つじゃないから洒落にならない。

冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビは家電リサイクル対象品として、処理にはお金がかかります。

今回、集まったそうした廃棄物は、産廃税を利用して処分されます。

なんと嘆かわしいことでしょうか。

回収された不法投棄廃棄物の総量は?

午前9時に作業を始めて12時まで、ひたすらゴミを回収、そして選別を実施。

集められたゴミは以下の結果となりました。

可燃13㎥
大型ゴミ11㎥
タイヤ8本
家電5㎥
小型0.5㎥
金属1㎥
空き缶2㎥
びん0.5㎥
不燃0.5㎥
その他処理困難物0.3㎥
※単位㎥

総勢122名の皆さんはボランティアで今回の活動に従事していましたが、ゴミ処理自体にはどうしたって費用はかかってしまいます。

ということで看板も設置。

もう二度と、このような哀しいことが起きないことを切に願います。

橋の下で大量に積まれたゴミが見る見るうちに片付けられ、キレイになっていく様子を見ているのは、確かに心地よいものでした。

しかし、そんなことがなければ、もっときれいな自然があるわけで……。

帰宅後、子供からは「虫とかヘビとかおらんかった?」と聞かれて、いささか脱力。

ゴミに紛れていたカニ(沢蟹?)を逃がしてあげたことを報告しておきました。