生ごみや廃プラなどの廃棄物で国産水素を製造 出光が米企業と提携
出光興産は4月13日、一般家庭から出る生ごみや廃プラスチックをはじめ、様々な廃棄物を原料として水素を製造する事業を始めると発表しました。
2021年に設立されたばかりの米国企業H-Cycle社と提携し、一日約200~300トンを処理できるプラント施設を2030年代前半までに建設する予定です。
水素は発電や自動車の燃料などに使われ、今後も需要の拡大が見込まれている重要なエネルギー。
それだけに国産品の製造が課題とされてきましたが、従来の技術では、製造工程で天然ガスなどの化石燃料が必要になるなど、一定の負担がありました。
そこで出光興産では、米国のスタートアップ企業であるH-Cycle社と提携し、都市ごみなどの廃棄物を原料として低炭素な水素を製造するプラントを建設します。
生ゴミなどに含まれるバイオマス原料は、二酸化炭素の発生を相殺する効果があり、従来の製造技術に比べてクリーンな技術。
廃棄物を高温で溶かして生じる無害化スラグ(ガラス状の黒い物質)も、道路の原料などに用いられるため、より無駄のない水素製造が期待できるとのことです。
こうした技術を評価されてか、H-Cycle社は既にアメリカや韓国などで多数のパートナシップを締結。
出光も、今後は各自治体やパートナー企業を増やしながらプラントの建設を進めていくとのことで、同社では「エネルギーの地産地消の実現を目指す」という目標を掲げています。
【参考】
出光興産(→link)