マシンガンズ滝沢の勝手にマニフェスト~私だったらゴミ行政をこうする!
ゴミ削減は社会の緊急課題。
現在のペースで排出し続けると、約20年で全国の処分場が満杯になり、埋め立てスペースが無くなってしまう――。
そんな恐ろしい試算が環境省からも出されていて、皆さまも『どうにかしなきゃ……』というお気持ちはおありでしょう。
では、どうすればよいか?
ゴミのことは、その道のプロに聞くのが一番!
ということで、ゴミ清掃員芸人として多くのメディアで活躍されているお笑いコンビ・マシンガンズ滝沢秀一さんにご協力いただき、その解決法を共に探ってみることとしました。
題して『マシンガンズ滝沢の勝手にマニフェスト~私だったらゴミ行政をこうする!』。
滝沢さんが◯◯市区町村の首長になったと仮定して、解決法を語っていただきました。
気持ち一つで実行できる、そんな現実的な提案です!
以下、滝沢さんの本文へ。
【第一条】スーパーの入店時に「資源持参」を義務化!PayPayポイントと交換
ゴミ行政で一番大切なのは、やっぱり減らすことなんです。
そもそもゴミって多くがリサイクルできる。ゴミという言い方が失礼で、もはや資源ですね。
現実に、徳島県上勝町では80%のリサイクルを実現化していて、他の市区町村でそれに準じる数字を目指せないワケがない。
なので私が市長になったら、スーパーでの買い物ついでに「資源、持ってきてくださ~い」ということで、入口に回収箱を設置します。
そして、その量に応じてPayPayポイントをお支払い。
もしも、資源を持ってこないお客様がいたら、次回必ず持ってきてもらう約束をして、万が一、回収箱を設置しない店があったら営業許可を取り上げますからね!
いきなり強権発動しちゃってごめんなさい。
そもそも市の行政にそんな権限があるかどうかはさておき、スーパーで食材を買うためなら、皆さん絶対に資源を持参してくれますよね。
リサイクルは一度習慣づいたら造作もないことで、徐々に回収量(リサイクル率)も増えていくはずです。
そうなったら、しめたもので市の財源にもなりますし、私の支持率もアップして市長再選間違いなし(笑)。
【第二条】お笑いLIVE付き「リユース市場」を開催
公共スペースを使い「リユース市場」を常設しましょう!
市民の皆様から不用品をいただき、それを販売するスペースですね。
無料で置いてあると、また簡単に捨てられてしまったりしそうなので、少しでもいいから資金回収させてください。
そして月に何回か、フリーマーケットスタイルで、市民の皆様に直接販売してもらいます。
ただ、それでは特色がないので、会場内に舞台を作り、お笑い芸人のライブも無料で開催。
芸人のライブって生で見ると結構迫力があるものですよ。
テレビでよく見る人じゃなくても意外と面白かったりします。逆にスベリ倒すこともありますが(笑)。
こういうことがキッカケになって、ゴミ行政に全く関心の無かった層にも届いてくれると嬉しいな、と。
なお、芸人のギャラはリサイクルの売上から出させていただきます。売れない若手芸人であれば、それほどの高額ギャラにはなりませんので(笑)。
【第三条】徴兵制ならぬ“徴ゴミ清掃員制”を義務化
これやっちゃうと確実に支持率が下がってしまうのですが……。
とにかく市民の皆様に一度でいいからゴミ清掃員の世界を体験していただきたい!
徴兵制ですと年単位のレベルですが、ゴミ清掃員は1週間でいいんです。いや3日でも。
いきなり細かいリサイクルを提示されてもなかなか難しいじゃないですか。
でも、清掃員を体験して、刃物入りのゴミや、汚れた液体だらけの超重量系生ゴミ袋を回収したら、普段から適切なごみ出しをしてくれるようになると思うのです。
水分だらけのゴミ袋って燃えにくいから、余計に燃料費がかかったりする。
そのぶん余計に税金を払うのですから、非常にもったいないですよね。清掃員になって体感していただければすぐにわかると思うのです。
もちろん“徴ゴミ清掃員制”の間は日給をたんまりお支払いしますので若い方はそのままアルバイトされても大丈夫ですよ。
【第四条】フルリノベの市営住宅を超格安提供!ゴミ回収を怠ったら即退去
最近、団地や市営住宅など、昭和に数多く建てられた住居群が、過疎化で問題になっていますよね。
どの市区町村にもあると思うのですが、高齢化も進み、活気が無くなっている。
そこで、室内だけでも代官山や表参道にありそうなオシャレ部屋にフルリノベして、若い方に周辺家賃相場の半値で賃貸いたします!
ただし、分別だけはキッチリお願いします。
守れなければ即退去。私も市長になったからには、厳しさも持ちあわせて対処させていただきますよ(笑)。
【第五条】ポイ捨て罰金8万円!再犯16万円で再々犯は32万円!
シンガポールと同様にゴミ捨てを徹底取り締まり!
ポイ捨ては問答無用で8万円の罰金とさせていただきます。
この手の行為は往々にして同じ方が繰り返しそうなので、二度目の罰金は16万円、以降、32万円、64万円、128万円……と倍々にして、8回目で1千万円を超えますね(笑)。
税務署並の厳しい取り立て権限を貰って回収しますので、市にとっては嬉しい副収入となるでしょう。
平気でポイ捨てするゴミ捨て民たちは、どうぞ、滝沢のいる市でがんがんポイ捨てしてください。
皆様の罰金を財源にして、新たなコンポスト施設を作らせていただきます!
【第六条】ゴミ収集員の給料UP!
国によっては給与水準の高いのがゴミ収集業です。
例えばアメリカなどでは年収10万ドル(1,300万円)稼ぐ人がいたりするほど。
日本では業界横並びの慣例だったり、そもそもが自治体の予算が決まっていたりして、高給取りにし辛いとされています。
しかーし!
前例は破られるものだからこそ前例です。
東京の平均年収(475万円)の2割ちょい増し=600万円ほどでいかがでしょう?
できれば男女比率5割と設定しますので、シングルマザーの方にも喜んで働いて貰えると思います。
事業者施設の中に保育所も併設しますので、安心して仕事に集中していただけます。
【第七条】世界一のゴミフェス「GOMI ROCK FESTIVAL」を開催!
先程、少し触れましたが、徳島県上勝町は実に80%ものリサイクルを達成した、日本一の「分別回収」を成功させた自治体です。
あまりに凄すぎて日本中から視察が来るようになり、集積所の隣にホテルまで作られた。
最近はテレビ番組でもチラホラ取り上げられ、要は観光資源になっています。
私も市長になった暁には、そこを目指したい。
まずは年に一度、ゴミフェスを開催しましょう!
3つぐらいのステージを用意。各会場には派手なパッカー車(ゴミ収集車)を並べ、重機と共に実演&体験できるようにして、アーティストたちにも試して貰う。
祭りは3日間続き、最終日の夜は、ド派手な花火を見ながらビールを飲み、翌日は会場をきれいにして終了です。
【第八条】リサイクル資金による奨学金制度
リサイクル回収で集められた資金は返済不要の奨学金にも回しましょう!
もちろん希望者全員というワケにもいきませんので、「親の年収・資産・学業の成績」を数値化して、一定数の方に学費ならびに下宿代を工面します。
返済なんてケチなことは言いません。
そうした学生さんが世界で活躍することにより、自治体の評判向上に役立ってくれれば十分に元は取れるでしょう。
予算を少しずつ子育てに回していくことは、明石市の泉市長がリアルにやっていることですよね。
教育費ひとつで市が活気づく……ってことはゴミ行政でも十分に変えられる可能性はあると思いませんか?
【第九条】JFLサッカーチームを創設します!
Jリーグ(J1・J2・J3)はさすがに難しそうなので……JFLの地域密着型チームを作りましょう。
プロを目指したい――そんな希望を持つ選手には、普段、市内のゴミ清掃員をやりながら、できるだけ練習時間を確保し、チームの勝利に貢献していただく。
そして3年目の天皇杯では奇跡の勝利を重ねて、ベスト8まで進出!
しかしJ1の強烈な壁に跳ね返され、惜しくも敗退しながら、チームと住民の一体感は増していく――そんな感動ストーリーを期待したいです。
地元の企業がスポンサーになってくれたら、選手の強化にも励みます。どうせなら強くなってもらった方が市内も活気づきますしね。
【最後に】
いかがでしたか?
『お笑い芸人が語ったところで、どうせ冗談みたいな話ばかりだろう』
と思いきや、日々ゴミ清掃員を務められている滝沢さんだけに、リアルな体験談に基づいた有意義な提案だったのではないでしょうか。
ゴミ行政は、一人ひとりのちょっとした労が、日本全体にとって非常に大きな一手となります。
滝沢さん、マジで首長になってくれないかな?
少しでもそう感じられた方は、目の前の生ゴミ一つから取り掛かっていただければ本望です。
【参考】
滝沢秀一の著書(→amazon)
他