ホタテの貝殻から生まれたHOTAMET(ホタメット)が絶妙なデザインだ
突然ですが「ホタテマン」ってご存知ですか?
アラフィフ以上の方なら誰もが見ていたバラエティ番組『オレたちひょうきん族』で生まれたキャラクターで、演じていたのは俳優の安岡力也さん。
コワモテの力也さんが「ホタテのロックンロール♪」と歌う姿が子供たちにも大人気でレコードまで発売されたのですが(→youtube)、そんなことを30数年ぶりに思い出してしまったのには理由があります。
ホタテの貝殻から作られたヘルメット――HOTAMET(ホタメット)が本年3月に発売されるのです。
それがコチラ。
なんという絶妙なフォルムのデザインでしょうか。
ヘルメットである。
しかし、ホタテでもある。
両者の特長を存分に活かすようで、これぞリサイクルの極みといったところ。
もちろん実用品であり、
2025年日本国際博覧会協会が推進する「Co-Design Challenge」プログラムにも採択されていますので、今後は、老若男女問わない防災用品として拡大していくかもしれません。
それにしても、なぜ、このようなグッズが生まれたのか?
手掛けたのは大阪府大阪市の甲子(こうし)化学工業株式会社さん。
1969年に創業された老舗のプラスチックメーカーで、同社が注目したのが北海道猿払村の年間約4万トンにもなる廃棄ホタテ貝殻でした。
主成分が炭酸カルシウムであることに着目し、廃棄プラスチックを組み合わせたエコプラスチック新素材「カラスチック」を開発したのです。
それがHOTAMETの素材になったわけですが、もしかしたら「普通のヘルメットより強度が弱いんでは?」という疑問もあるかもしれません。
話は逆で、強度(曲げ弾性率)が約33%向上しているというのです。
しかもCO2の削減にも貢献しているのですから、これ以上ないリサイクルと言えるでしょう。
最後に一点。
先ほど「ホタテとヘルメットをMIXした絶妙なデザイン」と申し上げましたが、HOTAMETの秘密はここにもありました。
自然界の効率的な形態をデザインに組み込む――生物模倣(バイオミミクリー)の観点から設計されていて、取り込まなかった場合と比較して約30%も耐久性が向上しているというのです。
うーん、なんという奥深い世界。
「ホタテをなめるなよ」とはまさにこのことでしょうか。
興味のある方は同社のサイトより購入をご検討ください。以下にリンクを貼っておきます。
【参考】
甲子化学工業株式会社(→link)