電子ゴミは高値で売れるからと海外へ不正輸出~国内の業者を逮捕
アジアやアフリカのスラム街で、ゴミを燃やし、中から出てきた金や銅を売って生計をたてる――。
そんな光景、テレビなどで見たことございませんか?
貧困層の子供たちにとっては貴重な収入となっていて、有害物質にまみれながら黙々と作業に打ち込む姿は見ていて胸が苦しくなるものですが、このとき貴重な存在となっているのが家電などから出る“電子ゴミ”。
これをマレーシアに密輸(輸出)しようとした日本の業者が10月17日、関税法違反の疑いで逮捕されました。
電子ゴミとは、主に機械を制御する電子基板のこと。
燃やして貴金属を取り出すのは非常に単純な作業ゆえ、貧困にあえぐアジア諸国の各地で作業していることが確認されています。
有害物質が発生する危険な状況でも、何ら対策を講じずに燃やし続けているのですね。
しかも、電子基板の抜き去られたテレビやパソコン、電子レンジなどの箱部分は不法投棄され、環境にも重大な影響を及ぼしている。
日本で正規の処理をすると有害物質対策などでコストがかかり、逆に海外で不正に燃やせば簡単に貴金属が取り出せることも影響しているのでしょう。今回、摘発された業者は「海外のほうが高く売れる」として約90トンもの電子ゴミを虚偽申請してマレーシアへ不正輸出を試みていたところを大阪税関に止められました。
これはおそらく氷山の一角。
いったい日本からは、どれほどの不正輸出が行われているのでしょうか?
環境省が今年3月に発表したデータによると、令和元年度の廃棄家電の総量は約2,078万台。
そのうち約282万台が不用品回収業者によって回収されていて、中にはきちんとした処理をしないまま不法投棄されたり、あるいは今回の事件のように密輸に回されたりする家電があります。
FNNの報道では推定約40万台ほどが海外へ密輸されていて、恒常化している現実が浮かんできますね。
すべて我々日本人の誰かが使っていたものであり、決して他人事ではないことがあらためて意識されるところです。
実は日本国内でも不法投棄は止まず、令和2年度には約53,330台(前年度51,800台)が投げ捨てられています。
新たな家電が出たら、ついつい欲しくなってしまうのが人情ですが、その際は、購入した店舗で古い家電を引取してもらったり、あるいは引っ越しなどで処分が必要な際には正規の引取業者に頼むなどせねばなりませんね。
家電ゴミにせよ、粗大ゴミにせよ。もしも処分に困っている方がおりましたら、創業70年、年間取扱件数6,500件を超える株式会社タイヨーの「まるごとスッキリ隊」までご相談ください。
個人の皆様では得難い知見も持ち合わせており、お見積もりだけでもご協力させていただきます。
【参考】
令和2年度廃家電の不法投棄等の状況について/環境省(→link)
家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書/環境省(→link)
FNN(→link)